
を参考にさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。積極的にアプローチしていただければ私どもの館も非常にうれしいです。そういったことでしたら、私どもも本当に誠意を持っておこたえしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○山下
ありがとうございます。皆様、公の立場の方々と我々民間の者と、なかなか接点が見つけられないというのが日本の非常に小回りのきかないところだと思いますし、これまでの民間の公のホールに対するアプローチの仕方も非常にあこぎであったり、吹っかけたり、いろいろあるわけですよね。もちろん、中にはどうしてもお金のかかるようなものがあります。例えばミュージカルを生でやろうとすると、バンドもろともに移動しますからどうしても費用がかかる、そういうことがあります。歌舞伎公演だって、いわゆる地方を連れていく。大勢の看板役者がそろえばそろうほど、それぞれの看板役者のオーケストラを連れて動いているみたいなものですからお金がかかるんですけれども、そういうことは抜きにして、そういう立ち上がりの段階からご興味を示していただけると我々としても先が見通しやすいな、こういうことがあります。
また、私も大阪で細々と頑張っている手前、やっぱり東京の後塵を拝したくないと言ってはやせ犬の遠吠えみたいですけれども、やはり大阪発案、関西発案と申しましょうか、東京はもう後でもいいじゃないかというようなことをやってみたいという気があります。
これは何も僕だけじゃなくて、例えばアメリカでも、今ニューヨークのブロードウエイのリスクが非常に高くなってまいりまして、必ずしもニューヨークでやらなくてもいいじゃないかというような動きが出てきているんですね。ツアーといっても、ニューヨークでやってツアーに出るのが今までの通常だったんですけれども、大都市を拠点にして限定上演的にやっていく、それでCDも売り、評価を高めていって、もしニューヨークの劇場なりプロモーターなりが買ってくれればやる。
その一例がシカゴのトロントでやっている「蜘蛛女−」なんかのプロデューサーの仕事なんですよ。「ショーボート」なんかもトロントでまずあけて、それでブロードウエイに持っていった。「蜘蝶女−」もしかり。トロントはカナダですけれども、そういう動きがアメリカでも出てきているというふうに思っていますので、日本でもひょっとしたらそういう時代が、これだけ全国に施設がふえているわけですから、箱がある限りはその箱にどうはめ込めるか。多目的ホールでございますから、例えば僕がやった「ラヴ」なんかも札幌で2年ほど前にやりましたけれども、名古屋は愛知県芸術劇場でやったり、東京は
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